瞑想エッセイ記事一覧

特集サマーディ@ サマーディとは何か?-1 サマーディとは何か? サマーディを構成しているものは? どうしたらサマーディを高めることができるだろうか? サマ−ディ(Samadhi:三昧:禅定)の確立という瞑想修行の最も重要な問題を、特集のシリーズで考えてみたい。  「…集中が弱いのでどうしても雑念が鎮まらないんです。なにかサマタの集中瞑想をやるべきでしょうか?」  ヴィパッサナーの瞑想者なら一度は...

特集サマーディA サマーディとは何か?−2 さて、サマーディの一番のポイントは、『尋』(Vittaka:ヴィタッカ)である。   No.1で触れたように、他の対象を振り払い、除外しながら、瞑想対象の一点に心を据えつけていく能力である。いわゆる集中力の根拠である。 懸命に修行を続けるうちに、やがて、すべての条件が整う幸運にめぐまれると、瞑想対象への一点集中が安定し、揺るぎないものになってくるだろう。...

特集サマーディB 56億7千万光年のサマ−ディ…… サティ(気づき)が安定し、揺るぎなく確立することが、ヴィパッサナ−修行者の第一の目標である。 しかし、たとえサティが完全なものになっても、正しいサマ−ディが確立されない限り、解脱の智慧には到達しないだろう。 サマーディは、サマタ瞑想系のものとヴィパッサナー瞑想のものとに大別されるが、サマ−ディそのものの構成因子は、どちらの場合にも共通である。 今...

僕らはみんなエゴイスト 生命は残酷なシステムである。 生命の基本プログラムである本能にそのまま従えば、おおむね悪をなすように設計されている。 プライド(群れの単位)のメスライオンを狙って、若い放浪オスが年老いたリーダーを殺傷し、群れを乗っ取る。 メスのライオンは授乳期間中は発情しないが、乳飲み児を失うとすぐに発情し、妊娠できる体制になる。 乗っ取りに成功したオスは新たな交尾のチャンスを得るために、...

やがては空を飛ぶまでに だらだらと修行に時間をかけず、わずか一週間で悟りを開いた目連尊者のような天才型の仏弟子がいる。 中でもとりわけ早かったのは、ティッサ長老の下で出家した七歳の少年僧である。 沙弥の得度式で頭を剃られている間、少年は長老に教えられたとおり一瞬一瞬の対象に心を集中させてヴィパッサナー瞑想をしていた。 どのくらいの時間だったのか、少年の頭がきれいに剃り終わったとき、彼はすでに究極の...