「赦しの瞑想」のことば

 

 

   「私は、あなたを赦します。
  あなたは私を深く傷つけ、私はかけがえのないものを失い、量りしれないダメージを受けました。
  でも、あなたに怒りをぶつけ、怨み、復讐しても、壊れてしまったものが戻ることはないのです。

 

  起きるべくして起きたことは、いかんともし難い因縁因果の帰結です。
  私には、この苦しみを経験しなければならない業があったのです。
  その不善業が現象化して消えていったのは、あなたが尊い役目を果たしてくれたからです。

 

  私は、あなたに感謝します。
  解くべき因縁を、あなたのお蔭で一つほどくことができました。
  あなたに幸多かれ、良い人生でありますように・・・と祈ります。
  ありがとう。
  さようなら・・・。

 

  私は、心に終止符を打ちました。
  全ては、過ぎ去ったことです。
  私は、明日に向かって、光を求めて、歩んでいきます・・・」

 

 

  以下のポイントを心に留めておきましょう。

 

 ・怒りや恨みを手放すと決める。
 ・いかなる理由があろうとも「怒り返すのは悪である」というブッダの言葉を思い出す。
 ・怒りや嫌悪を感じた瞬間、新しく不善業が作られることを思い出す。

 

 ・復讐しても、赦しても、元に戻せるものは何もない。
 ・復讐すれば復讐した結果、赦せば赦した結果があるだろうと心得る。
 ・殺す者は殺され、奪う者は奪われ、罵る者は罵られる、と説くブッダの言葉を思い出す。
 ・復讐は怒りであり、その結果は破壊的な苦を経験することになるだろうと覚悟する。
 ・赦せば、いつの日か自分も同じように赦されるだろうと心得る。

 

 ・苦を受けるだけの人生、苦を耐え忍ぶだけの人生も、生きるに値する。
 ・なぜ我が身にそのようなことが起きたのか、その原因を考えてみる。
 ・奪われ、壊され、失った瞬間の苦しみを深く味わい、それがかつて自分が他人に与えたものだったことを理解する。
 ・苦を感じた瞬間、不善業がひとつ消えた、ネガティブなカルマが消滅した、と受け止める。

 

 ・「自分よりも劣った者のことばを恕す人がおれば、それを、聖者らは、この世における<最上の忍耐>と呼ぶ」というブッダの言葉を思い出す。
 ・過去に縛られている限り、現在の瞬間に集中する瞑想はできない。
 ・自分のために、相手のために、瞑想修行のために、赦しがたい出来事を赦すと決める。

 

 ・相手を赦すことは、怒りに縛られていた自分を解放することである。
 ・赦した瞬間、心は、過去から未来に開かれていく。
 ・憎しみの対象を心から赦すことができたとき、寛大な心になれたことを喜び、よくやったと言い、祝福してあげる。