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合宿でのヴィパッサナー瞑想体験集

 

 〈Y.H.さん(50代男性・千葉県)の体験記から〉

◎やさしくてむずかしいヴィパッサナー瞑想

 昨年暮れの第一回宿泊瞑想会に続き、今回もゴールデンウィークと休暇をうまく組み合わせ、なんとか仕事をやりくりして参加できるのは、何かの援護であろうか。
 ともかく、家族には何かを得て帰って来るからと、冗談とも本気ともつかない会話を残して出発した。心では密かに成果を期待しつつ。

 前回の反省から、宿泊中の食事は少なめに心がけた。御飯はおよそ3口とした。好きな納豆は最初こそ全部食べたが、先生から蛋白質は消化にけっこう時間がかかるとのアドバイスをいただいたので、宿泊の半ばからは半分に、そして後半の頃には3分の1の量とした。おかげで、スムーズなスタートがきれた。

 3日目の午後の瞑想から、体に透明感を感じ始めた。しばらくすると、突然体に直下型の物凄い縦揺れを感じた。「縦揺れ」、「揺れている」とラベリングしたが、だんだん激しさが増し体が放り出されんばかりなので、恐怖で思わず目を開けた。しかし、目の前には瞑想室の壁があるのみで、周囲は静寂そのものである。
 体の振動は止まった。やはり錯覚現象であったかと理解し、再び瞑想に入るとすぐに激震が体を襲い目を開けてしまう。
 これを何度か繰り返したが、最初は揺れに対する恐怖感とそれに対する心の反応の速さのため、次はあまりの揺れ感覚の激しさに対する観察心(貪り)のため、「(恐怖を)感じた、(目が)開いた、(壁を)見た、(錯覚と)判断した」という一連のサティのくさびを打ち込むことができなかった。

 6日目は朝からスッキリとしなかった。眠気だけでなく、4、5日目には無かったイライラを感じ始めた。そこで、「イライラしている」とサティを入れると、イライラ感と共に眠気からも解放され、そのまま瞑想を持続できた。
 午後、ほどなく喜びに対しては「ピィティ(喜)」とラベリングしたが、さらに高みを求めようとした貪りの心にはサティが入らなかったため、次の段階である楽を逃した。

 7日目も6日目と同様であった。
 今度は「イライラ」とラベリングしても解消されず、なぜか「むさぼり」とサティを入れると、イライラ感と眠気のセットが消えていた。
 眠くなった時、「眠い、眠い」とサティを入れると眠気が消えたというレポートを耳にしてきたが、これまで私にはその体験がなく、ここ一年間の瞑想は眠気とイライラとの葛藤であった。
 対象を正しく観ることができなくなってしまう眠気を嫌う心がイライラを作り、イライラの心が正念を失い眠気を生じさせる。また、体の透明感すなわち快感を得たいという貪りの心が正念を失い眠気を生じさせる。
 結局は煩悩が眠気をつくり出しているこの仕掛けをかいま見ることができた。
 いずれにしても、眠気をあるがままに受け入れ正確にサティを入れることにより、眠気の消えることを体験できた。

 8日目、いよいよ合宿瞑想の最終コーナーにさしかかるが、午前中はやはりどことなくぼけてくる。
 しかし、そのつど「眠い、眠い」あるいは「(眠い原因は)煩悩にあり、煩悩煩悩」とラベリングすることで眠気が解消された。
 午後も中心対象を腹部感覚にとり瞑想していると、急に頭上が明るくなってきた。一面銀世界の中心にいるようである。
 あまりにも全天がソフトな乳白色に輝くので、この雰囲気を味わってみたい、少しだけならすぐ腹部に戻れるだろうと思ってしまった。
 ほんの数秒か十数秒後であろうか、すぐ腹部に戻ったがダイナミックな動きは消えていた。そして、微細な腹部の感覚がとれないまま眠気に襲われていった。
 このサマタイメージは心地よい快感であるため、つい貪りの不善心所のドミノを倒してしまった。いったん倒れたドミノの駒を起こし、善心所を立ち上げることは容易ではない。一瞬の怠けも気のゆるみも許されないことを痛感した。

 夜、座禅瞑想に集中していると、今度は閉じたまぶたに一条の畝があらわれ、麦のあおい穂がツンツンと出てきた。
 「イメージ」としても「見た」とラベリングしても表象は消えない。
 やっと「怒り」のラベリングで一本の穂が、「貪り」のラベリングで二本目の穂が消え、そして順に残りの穂も消えていった。
 しかし、畝は消えない。
 「煩悩の畠」でも「(煩悩の畠と)思った」でも消えない。思わず「消えろ」とラベリングしてしまった。当然消えてくれない。
 しかたなく、「(消えないと)わかった」と現状を肯定すると、畝はしぶしぶ闇のなかに沈んでいった。

 そして座禅瞑想を続けた。途中、蚊に刺されたのであろうか。手のひらがかゆくなってきた。
 「かゆい」とラベリングしたが、かゆみは消えない。
 そこで「かゆみ」と客観化してラベリングすると、かゆみは消えていった。

 9日目の個人面談では大変な命題をいただいてしまった。
 歩行禅あるいは座禅等、瞑想はいかなる方法でもよいが、サティの持続性(サティを切らさないこと)と一貫性(サティのレベルを一定に保つこと)を二時間保ち、かつ妄想の車両連結は一輌目に止めること、二輌目あるいは三輌目まで連想してしまったならば、その時点から再度二時間継続すること、という命題である。
 しかし現実には、音を聞けばそれが音に止まらず、例えばそれが動物か鳥の鳴き声なのか、鳥ならばそれが小鳥なのかカラスなのか、これまでの音の記憶に照らして瞬時に判断してしまう、つまり二・三輌目まで連想してしまう。
 8日目からサティの力が落ちて来ただけに、これは容易ならない宿題である。顔の筋肉がこわばっていくのがわかった。しかし、やる以外ないと心に決め瞑想に入ったが、歩行禅と立禅ではどうしても連想がストップしないので、座禅のみに集中して命題にとりかかった。
 
 どのくらい経っただろうか。暗闇の中から、こつぜんと丸盆にのった水差しの像が現れて来た。
 「イメージ、イメージ」とラベリングしたが消えない。
 「見た」としても消えない。
 しばらく像と向き合っていると「お酒の入った水差しだ!」という思いが生じた。 
 次の瞬間、出発時に何らかの予感はしていたが、
 「ついに、現れるべきものが現れてしまった。」
 「お酒と対峙しなければならない時がついに来た。」と直感した。

 ここで、水差しの中身がお酒であるという正しい理解のもとに、もう一度「見ている」とラベリングした結果、像が霧消し腹部感覚に戻れたなら、
 「これは心の最深部に潜むお酒を許容したがっている煩悩を根絶せよという智慧の顕れであり、ヴィパッサナー瞑想として良い」
 と先生はおっしゃったが、現実は厳しい。立派な妄想の連結車両が出来てしまった。
 それ以降は水差しの像と向き合ったままの膠着状態であった。宿題のやり直しである。
 決められた時間の半分にも満たない45分だった。

 見たものは見たままに、
 聞いたものは聞いたままに、
 そして感じたものは感じたままに、サティする。

 ヴィパッサナー瞑想は、何の理屈も無用な簡潔明瞭でやさしい瞑想であるハズなのに、なんと難しく奥深く感じたことか。

 全ての原因は思考判断・煩悩にあり、それを止めればよいとわかっているハズなのに、サティのロボットになりきることができなかった。
 
 最後になりますが、毎朝の有意義な法話と個人面談を通じて、丁寧にご指導下さいました地橋先生に感謝申し上げます。

 

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