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合宿でのヴィパッサナー瞑想体験集

 

 〈岡本カヅヨさん(主婦 東京都)の体験記から〉

◎なんであんなに苦しかったんだろう……

  専業主婦の私は家事から解放されたという嬉しさで、ウキウキと合宿に参加させて頂きました。
 「サティ、サティ」と一生懸命にやる気になってはいても、いつの間にか無意識にサティを入れずに動いてしまったりしました。トイレに入るのも、ドアを開けるまでは人目があるのでサティを切らさずに出来るのですが、中に入った途端にすっかりくつろいでしまって、サティを忘れていることが多かったようです。
 それと、ただ歩くだけならサティは切れないのですが、目的があって歩くときなどはそれに気を取られて足のサティが無くなって、ただ目的物に突進してしまう状態でした。
 最初の五日間ぐらいは、このありさまでした。
 
 感覚の変化に関しては、私の場合、合宿に参加する前は、立ち禅の感覚が強く出ることと、ウォーキングの足の感覚が、かすかに感じる程度でした。
 修行に入ってからは、日毎に身体中の感覚が敏感になっていくのが分かりました。特に二日目には、ウォーキングがサマタ的に号令を掛けて、ただ足を上げ下げしている状態なので、感覚がいま一つ変化していきません。
 そんな時に、突然心の中で、
 「何を急いでいるのだ。急いでいたら何も分からないぞ」
 という声が聞こえてきました。
 私はハッとして、
 「ヨシッ!機械的に歩くのはやめて、サティが出ないうちは、足の踵を上げるのを止めよう」
 
 と、小さな決心をしました。そして、踵を慎重に、ゆっくりと上げていきました。すると今までは、チョロチョロと清水が湧き出るようにしか感じなかった足の感覚が、谷の水がダムを決壊して、ドッと流れ出したように、ビリビリと流れ出しました。それまで冷たかった足もポカポカと暖かく、手の方までビリビリと電気が通ったようになっているので、手の平を見ると真っ赤になっていました。
 「エーッ、何だ、これは!」
 「そうか、こうしてゆっくり動作しないと、分からなかったんだ」
 と思いました。それが分かってからは、出来るだけゆっくり動作することにしました。
 
 以前から、お腹の中がときどき、とても暖かく感じることが、あったのですが、合宿に入ってからは、その腹部の暖かさが日毎に増していきました。その感覚は、中心がとても暖かいのに、中心の周り、つまり腹部全体がスースーと、まるでハッカを入れたような感じなのです。それと、肩から背中や腕にかけても、やはり、スースーとしてなにか発散しているような感覚も日毎に増していきました。知覚力が成長していたのでしょうか。

 合宿三日目のことです。ウォーキングが終わって、お茶を飲もうとしたら、運悪く、先生がそこを通りかかったので、
 「まずい! さぼっていると思われる、このまま瞑想室に行くしかないか……」
 と、ちょっとガッカリして座禅をすることにしました。座り始めて、すぐに眠気が出てきたときは
 「ああ、コーヒーを飲まなかったから、しかたがない」
 と思い「眠気」とサティを一つ入れました。その時、心の中で
 「どうせお茶を飲めなかったのだから、せめて眠りの甘さだけでも味わってやろう」  
 と思い眠気の甘さを味わうように「眠気、眠気、眠気」とサティを入れました。すると、眠気は霧が晴れるようにスーと消えていきました。
 そのときは何の感動もなく「なんだ、取れてしまった」と思いました。少しすると、また眠気が出てきたので「シメ、シメ、また味わってやろう」と「眠気、眠気、眠気」とサティを入れました。眠気は前と同じように、スーと消えていき、以後、その座禅が終わるまでは再び出てくることがありませんでした。

 私はやっと、睡魔に勝つことが出来たうれしさに調子に乗ってニヤニヤと、
 「もうこれで、この合宿に来た目的は達したようなものだから帰ってもいいぐらいです」
 と、面接の時にポロッと言ってしまいました。すると先生は、突然、座り直して、気迫に満ちた目で私を射るように見すえて、
 「とてもいい経験ですね。でも、それで目的をとげたと思い、家に帰っても、ドウッカ(苦)がなくなる訳じゃありませんよ。灰かぐらのようにドウッカ(苦)にまみれてただのたうち苦しむか、サティで平然とドウッカをドウッカと感じないで静かに生きていくか、二つに一つです」
 と毅然としておっしゃいました。
 私は、その言葉に身をすくませて、頭が上がりませんでした。そして、今までの私の苦しみを走馬灯のように思い浮かべてみました。

 幸せなはずなのに何をやっても苦しく、特別な苦しみはないけれど、かえってぬるま湯に入っているようなもどかしさで、いつも満たされずに、あちこちと遍歴した辛さが蘇ってきました。

 「そうだ、あの辛さに終止符を打つのだ」
 と、先生のムチにヨロヨロと立ち上がって決意を新たにしたのでした。」
 この日を境にピクニック気分でいた私も真剣に修行に取り組むようになりました。

 合宿も後半になると集中力が高まってきて次々といろいろな現象が現れてきました。瞑想で胃の痛みが出てきたとき、一回目は「痛み、痛み、痛み」のサティで消えましたが二回目に出て来たときは「痛み」のサティでは消えずに、だんだんと痛みが強くなるので、困りあぐねて思わず「やりたくない。帰りたい」というサティが入ってしまいました。そうしたら、あれほど痛かった胃の痛みがスーッと消えてしまい、自分の本心は修行をやりたくなかったのだと気づいて苦笑してしまいました。

 それと、ウォーキングのときにお腹がグウッと鳴り「なにか食べ物を入れてくれー」と、ばかりに胃のあたりが、ギューッとちぢまりました。私は空腹感を味わうように「お腹がすいた、お腹がすいた」とサティを入れてみましたら空腹感がスーッと消えていきました。
 翌日、こんどは、空腹感が出る前にお腹がグウッと鳴った時点で「音」とサティを入れてみましたら空腹感も出なくなったので、これは便利だと思いました。
 
 食事のサティも、かなり厳しく修行させていただきました。真剣にサティを入れて食べていると、どんなに好きな物でも、食べている途中で、ピタリと、食べたくなくなる瞬間があることに気がつきました。
 おもしろいと思ったので、目の前の他の食べ物で試してみたら、すべての食べ物にその瞬間があることが分かりました。この時は、その意味がよく分からずモヤモヤとしていましたが、ウォーキングをしているときに急に閃きました。
 「そうだ!サティをして本当に味わったから、執着が取れたのだ」
 そう思った途端に、今まで自分が拘わってきた諸々のことがらや、人間関係などに納得するものがあり、「そうだったのか……」と修業中であることも忘れて、感情のままに、涙にくれる場面もありました。

 次の日、先生から、「さらにサティを細かくしなさい。…特に食べ物が口に入った後のソシャクを<噛む、噛む>と丁寧に実感してラベリングしてください」と食卓で実技指導され、その通りに食べてみると、今さっき食べたレタスのサラダが、まるっきり違った味に変化したので、私はビックリして次々と別の食べ物で確かめてみました。すると、サティを慎重に細かくするのと、しないのでは、まるで別の物のように味が変わるのでした。このことを報告すると「サティを入れることによって、真実の味が分かるのです」と先生がおっしゃいました。

 八日目は、最高に集中度が高まり、三時半に目を覚ました私は、真っ暗な中でパジャマを脱ごうとしましたら「脱ぎたい」と自動的にサティが出てきました。今までは、心の動きにはサティが入らなかったのに無意識のうちに心にもサティが入るようになったのです。
 
 この日は、妄想が出る瞬間も見てしまいました。
 瞑想中に、犬の声が遠くに聞こえてきたので、その度ごとに、サティを入れていたのですが、犬の声が何回も続くので、ちょっとマンネリになって、サティを入れるタイミングがずれてしまいました。
 すると突然、頭の中に、灰色の丸い耳をしたミッキーマウスのようなものがムクムクと雲のように湧き出てきたのです。まさに起きていながら夢を見ているようで、一瞬、ハッとしたら、その得体のしれないものは,右側の足の方がまだ映像化しきれずに欠けたまま、パッと消えてしまったのです。
 私は、もう一回それを体験したくて、その後かなり長く座っていたのですが、二度とその現象は起きませんでした。
 先生によると「もう一回見たいという欲がある限り、二度と現れない法則がある」のだそうです。

 やはり八日目の午後のことです。
 瞑想中に地震のような揺れを感じて、思わず目を開けて天井の電灯を見上げましたが、揺れていないので、私の錯覚かと思って、また、目をつぶりました。すると、やっぱり地震のように身体が下の方から揺れて、正に地震そのものです。私は「やっぱり地震だ」と確信して、天井を見上げて電灯の揺れを見ようとしましたが、ピクリとも動いていなく、私だけが揺れたのだと思いました。
 これもとても不思議な体験でした。

 終わってみると、九日間が、あっという間に過ぎました。
 私としては、十年分の修行をさせていただいたと身体で感じております。
 思い切って参加させていただき本当に良かったと思っております。
 今は、先生と仲間の皆さん、そして合宿の為に、いろいろと御布施して下さった皆様に感謝の気持ちで一杯です。
 ありがとうございました。

 

◎癌と闘いながらの瞑想
匿名希望さん(男性)

◎合宿による心の変化
倉橋秀幸さん(男性)

◎ダイエットが目的だったのに……こんな世界が……
K.Y.さん(幼稚園教諭・20歳・兵庫県)

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◎冬枯れの景色に陽が射していた……
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◎禅とヴィパッサナー瞑想の違い
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